Release | June 1st, 2025
Format  | Digital 

Composed and mastered by Toshiki Sakuma​​​​​​​

artwork by Ryoka Neya​​​​​​
2002年の片隅できみは生まれて
陽差しは幼い朝だった
古い余白で貼り合わせた空から
有りあまる水彩が垂れている
手のひらの中で わたしはその
涙を絶えずあたためる

新しい予感を水に溶かすと
昼間の色彩が雨にうつり 瞼に
6月が加速する
公園から遠征した声で
都内の透けるところ
いつかきみにも伝えたい

記憶だけで雨になり
(両手で青い花を摘む時、両脚は隘路のくすみを渡る。)
もうすぐ光が 判然とせず
まとわりついてくる夏の光が
窓のそばで現れるから
通り雨の切れ端が
最後に残響をくれるから
ずっと見つめていてほしい 
幼いその目が その湿度が
わたしはすきだった
Back to Top